加賀友禅 訪問着 宮野勇造「瑞松」

地色は白藍(しらあい)でしょうか。爽やかな中にも非常に落ち着きのある加賀友禅らしい「淡いブルーグレー」といった趣です。やわらかな若芽色の裾ぼかしは伸びやかな木々の豊かな大地を感じさせます。

主題の松をはじめ、梅、椿、コデマリ、タケニグサなど、四季に富む草花が緩急様々な筆致で描かれています。
上前上部や右後袖に描かれた植物は「タケニグサ(竹似草)」。風に揺れて音を出すことから別名「ささやきぐさ」とも呼ばれるそうです。素敵な響きに心も踊ります。

全体的にグレイッシュな落ち着いたトーンではあるものの、前述のタケニグサに使用された山吹色や、そこかしこに散りばめられた梅の可愛らしい色合いなど、鮮やかさは十分。
伸びやかな樹々の贅沢な構図は、寿ぎの様子が満開のようです。

洗練された気品のある、自信をもっておすすめする加賀友禅訪問着です。

*浜ちりめん(滋賀県長浜産縮緬)一越生地使用


加賀友禅 訪問着 宮野勇造
「瑞松(ずいしょう)」
(正絹胴裏・手縫い仕立て・消費税 込み)

【 宮野 勇造(みやのゆうぞう)】
〇加賀友禅作家
〇伝統工芸士

<略歴と主な受賞歴>
1953年1月27日生まれ
1976年~1983年 清藤武二師に師事後、独立
1987年 第13回 加賀友禅新作競技会 金沢市長賞
1988年 第10回 加賀友禅伝統工芸展 金賞
1988年 第14回 加賀友禅新作競技会 名古屋通商産業局長賞
1990年 第12回 加賀友禅伝統工芸展 銀賞
1991年 第17回 加賀友禅新作競技会 中部産業局長賞
他、多数

TOP